大阪重粒子線センター Osaka Heavy Ion Therapy Center

ご挨拶

理事長 髙杉 豊公益財団法人
大阪国際がん治療財団
理事長髙杉 豊

大阪初となる重粒子線がん治療施設である大阪重粒子線センターは、大阪城を望む大手前地区にて平成30年3月に医療施設としての認可、同年10月より重粒子線治療開始というスケジュールで整備を進め、去る10月16日に重粒子線治療を開始致しました。

本事業は、平成22年3月の成人病センター整備基本構想に端を発し、平成23年9月、大阪府議会から「成人病センター建て替えを契機とした粒子線治療装置などの最先端医療技術導入構想」の提案を受け、府立病院機構の事業として本格的な検討が開始され、今日に至りました。

国民の2人に1人ががんを発症し、3人に1人ががんで亡くなるという時代となりましたが、一方で、治療技術の進歩により、がん全般の5年生存率は約70%にまで向上してきました。重粒子線によるがん治療施設は、国内でまだ5施設しかありませんが、その治療成績は非常に高く、今後ますますその期待が大きくなっています。

大手前地区には大阪国際がんセンターと国家公務員共済組合連合会大手前病院と当センターが近接し、3施設の連携による機能強化も計画しており、がん診療の一大拠点が形成されます。

大阪重粒子線センターががん治療の一翼を担うことで、大阪府民の皆さん、さらには世界中のがんの患者様に大きな福音となることを願って止みません。

※QST病院(千葉市)、群馬大学医学部附属病院、神奈川県立がんセンター、兵庫県立粒子線医療センター、九州国際重粒子線がん治療センター(鳥栖市)の5か所が稼働している。

大阪重粒子線センター センター長 藤元 治朗公益財団法人
大阪国際がん治療財団副理事長
大阪重粒子線センター
センター長藤元 治朗

近年の医療技術・薬剤の発展に伴い、がん治療も手術・放射線治療・化学療法の各分野で日進月歩の進化を遂げつつあり、当センターでは強力かつ腫瘍選択的に照射可能な炭素イオンを用いた重粒子線治療を実施しています。重粒子線の特徴は粒子が重いことでX線や陽子線に比べ体内の線量分布に優れ、特に正常組織を傷つけることなくがん治療が可能です。

がん治療で重要な点はいかに治療効果をあげ、いかに副作用を抑えるか、という二律背反の目的を達成することです。しかし、これまでは治療後の生存率を最優先とし、患者様のQOL(クオリティーオブライフ:生活の質)についてはあまり重きを置かれない傾向にありました。成績が同等であれば非侵襲的治療(体に負担の少ない治療法)が選ばれる時代となり、重粒子線治療は痛みも伴わない治療で、入院も不要で、QOL維持に優れ、まさにこの目的に合致しています。

また、冒頭に述べましたように各がん治療領域の長足の進歩により、優れた治療法を組み合わせた「集学的治療」の時代になってまいりました。重粒子線単独治療に加え、同じがんでも複雑な症例・進行した症例には集学的治療が有効となってまいります。例えば重粒子線+化学療法がその一例です。がんの局所には強力ではあるが体に優しい重粒子線治療、それに加えて全身療法、または転移巣に対する化学療法を無理なく併用することが可能です。当センターでは各臓器のがん領域の専門医師が診察・治療にあたり、また迅速な治療開始を実施しており、最良の治療を提供できると信じております。